どもです。今日は本の紹介です。以前もLGBTを知るためのおすすめ書籍7冊がこれだ!で紹介した本ではあるのですが、イチオシなのでもうちょっと詳しくその魅力をお伝えしたいと思って記事にしてみました。
LとGとT(FtMとMtF)が大集結!
内容紹介にはこのように書かれています。
ゲイ、レズビアン、FtM、MtF......ちがうセクシャリティをもつ四人が集まって、性やら恋やら身体について、酒を飲みながら、お菓子を食べながら、のんべんだらりと語った対談集。
強い主義や主張をしない、「ふつう」に生きる彼らの、ラフでわかりやすいセクシャリティの話。エッセイまんが12本も収録、対談部分もイラスト満載で読みやすい1冊です。
まさにこの通りの内容で、まず重くない。超ゆるい。LGBTを理解したい方にこの本をおすすめする最大の理由でもあります。だってLGBTの話って基本、重いんですよね。
重い話に突っ込んでいくのって、結構体力がいるものです。僕は国内外問わず貧困関連の本をよく読みますが、学術は論文まだしも、ルポルタージュなんかを読むとリアルすぎてしんどい。心がズーンってなる。僕にとってはそれは必要だから構わないし大事なことなのですが、LGBTについて関心がある人が必ずしもそういう「ガチ勢」だとは限らないわけです。
最近話題だから、会社で勉強するように言われたから、という動機の人にとっては重すぎる本はLGBTそれ自体にさらなる抵抗を産みがちです。しかしこの本は、本当にそういう「心構え」みたいなものが不要なんですよね。
僕は同じFTMの西野さんにむちゃくちゃ共感できる点が多い。「あ~!わかる~!!」と言いたくなります。
―手術・戸籍変更を終えて「男」や「女」になった自覚はあるかという問いに対して
能町みね子(以下能) 女になれたとは思わないね。まだそこまでいかない、というか一生「女」だとは思えないと思う。
西野とおる(以下西) いかないよね。だって、結局「男」じゃないもん。
能 うん、「女」だと言ってるけど本当に「女」だとは思っていない。これは、自分のなかでは一生決着がつかないと思う
あとコレめちゃくちゃ分かる。
もう、分かりすぎてうわあああああああって言いたくなるレベル。
そんな西野さんの本も読んでみたいなぁと思っています。
マンガが楽しい
この本のいいところは4人の対談はもちろん、ゲイとレズビアンの対談、FTMとMTFの対談というふうに分けられている点。そしてさらに4人とも漫画家さんなので、それぞれの詳細についてマンガで理解できるという点です。
ゆるい。笑
ゲイのかずあきさんも面白い。
かずあき(以下か) あたし友達にも「立ってもホモ・座ってもホモ・歩いてもホモ」って言われたわ。どうしたらいいのかしら!
当事者なら共感も多いはず
同じFtMの西野さんはもちろんですが、ところどころレズビアンの竹内さんの言うことも分かるきがします。というか4人のセクシャルマイノリティの考え方が全体的に僕とすごくあっている。
竹内佐千子(以下竹) あとセクシャリティが同じだからとか、セクシャルマイノリティ同士だからといって、仲間意識を持たれるのはある一定の線を越えると、ちょっと…うざいと思ってしまう。確かに、仲間って言われれば、仲間かもしれないけど…。
能 私もうざいよー。ふたりで遊んだりするMtFの友達は、ひとりしかいないけど、これ以上知り合いにつくる気はない。もういらない。なんか…ヘンなんだもん、みんな。
一同 笑
で、この続きの西野さんに共感して、かずあきさんにすごく納得しました。
西 (FtMの)友達はいない。でも、連絡とってくる人はいるよ。多分MtF同じだとは思うんだけど、FtMで男っていうのはさ、もう「漢(オトコ)!」なわけよ。
一同 納得
西 体育会系のノリが、男女関係なくぼくは苦手なのね。FtMの場合は、それがさらに本宮ひろ志の世界みたいになってるから…さらに嫌。まあいい奴だったら漢でもいいんだけど、人のことをああだこうだ言うやつが多くてうっとうしい。「そんなの着るなよ」とか「お前ちょっとダサいから、これからピアス買いに行こうぜ」とか、お節介。で、語尾はかならず「ぜ」ね!でもFtMって気は小さい。FtM同士とか、女の子相手には態度でかいんだけど、たとえばかずあきくんでも、男がひとりいたら、縮こまるんだよ。
能 そんな卑屈になるの?
竹 とくにFtMの友達が多いFtMはそうかも…。
能 そっか。FtMで男友達が多い人っているのかな?
竹 ビアンのタチで男友達が多い子はいっぱいいるんだけど、FtMで男友達が多い子ってあんまり見たことない。
西 だってしゃべれないんだもん。すごい敬語使い出したりとか。
か え~、なんでだろう。ゲイは基本的に、タイプだったら異性、タイプ外だったら同性って感じなのね。だから男も女もビアンFtMもMtFもタイプ外なら、全員同性。
タイプだったら異性、タイプ外だったら同性!な、なるほど…!
こういう感じで当事者の僕自身も他のマイノリティの人の感覚を知ることができてとてもためになりました。普通に、読み物として面白いです。ぜひご一読を!
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