南アの処女奨学金は女性差別で違憲 伝統文化と人権問題

南アの処女奨学金は女性差別で違憲 伝統文化と人権問題

どもです。ブログのアクセス解析を見て気が付いたのですが、急にこの記事のアクセスが増えていました。

処女奨学金は女性差別で違憲

何かあったのかなーと思って調べたみたところ、どうやらこの処女奨学金、結局違憲ということになったようです

[ヨハネスブルク 17日 ロイター] – 南アの政府男女平等委員会は17日、在学中に処女を保つことを条件とする女子大生への奨学金制度は違憲との判断を下した。

奨学金は、クワズールー・ナタール州の区長が提供したもので、処女性を重視するのは時代錯誤とする反対派と、アフリカの伝統文化保存に貢献するとする賛成派の間で今年1月に論争が起こっていた。

制度では、支給対象の女子学生に休暇帰省時の処女検査が求められており、性交渉があったと判断された場合は奨学金の支給が停止される可能性があるという。

委員会は、男子学生に同様の検査が義務付けられていないことから、この制度は女性差別に当たると結論付けた。

南ア奨学金「受給資格は処女」、政府委員会が違憲判断 より引用

この「アフリカの伝統文化保存に貢献するとする賛成派」についてですが、ズールー族には王の前で未婚の女性が踊りを披露する「リード・ダンス」という伝統儀式があり、この儀式を行う際に処女検査をするようです*。つまり「処女検査」自体はこの奨学金の導入にあたって用意されたものではなく、元々この辺りの伝統的な習慣だったということですね。それ故に伝統文化保存に貢献する、ということになるわけです。

magc160225-thumb-720xauto女性の敵か味方か「処女奨学金」の波紋 より引用

ただ過去記事にも書いたように、このアイディアの出どころ自体は処女学生達自身なので、女性差別だから違憲というのはしっくりこないような気もします。その一方で、こうした男性優位の伝統文化自体が男女格差を助長しているとも言えますしね…。

伝統文化と人権問題

アフリカの伝統文化と性差別、人権問題と言えばFGM(女性器切除)の問題もありますよね。伝統文化といえど、医療面からみると不衛生な環境での施術は感染症を引き起こしたり、切除に伴う大量出血による死亡事故に繋がったり、様々な後遺症が残ったりと良いことはないんですよね。アフリカではFGMの影響で出産時の母子死亡率が極めて高いとも言われています。個人的にはFGMには反対です。しかしながら、それを伝統文化だと思っている人もいるので「西洋医療を押し付けるな」と反感を買ってしまう事もあるでしょう。協力隊なんかで活動する際も、現地文化と援助内容の衝突は怒り得る問題だと思います。

僕は、処女奨学金のシステムに全面的に賛成するわけではありません。HIV対策が目的ならもっと実践的な教育に力を入れるべきでしょうし、処女性に拘泥することでプラスの側面だけが生まれるわけではありませんからね。しかし、試みとしてはありだろうなと思っていました。これによって学費を得られた女子学生には「ロールモデルとなりたい」と言っている子もいたので、どうなるか見てみたいところもあったのです。なのでこうしてすぐに違憲となってしまったのは正直残念に感じました。

今後もこの件に関しては注目していこうと思います。

参考記事

南ア奨学金「受給資格は処女」、政府委員会が違憲判断

*女性の敵か味方か「処女奨学金」の波紋 ニューズウィークジャパン

 

 

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