どもです。昨日9月1日から青年海外協力隊2016年秋募集の要項が公開されたようです。去年の今頃、まだ登録合格だった僕は新しく公開された要項とにらめっこしながら「次がラストチャンスだ!」と思っていました。20代のうちに身体治療を済ませたいと思っていた僕には、キャリアプラン上の意味でもライフプラン的にも、それ以上粘ることは辞めた方がよさそうだったからです。
募集要項に「あの4文字」が
そしてその昨日、横浜に住むFTMの友人からFacebookにメッセージとタグ付けがありました。というのも、募集要項のページにこのような記載があったというのです。
障害やLGBT等の理由により、応募・選考・訓練・派遣のプロセス、および派遣先での活動や生活に何らかの配慮が必要と思われる場合は、応募前に青年海外協力隊事務局までご連絡ください。
僕も驚きました。このLGBTの4文字、僕が応募した春募集の時も、去年の今頃要項や案件とにらめっこをしていた時もなかったからです。
友人から送られてきた画像
平成28年度1次隊の案件に合格していた僕は、自分が性同一性障害(性別違和)のFTMであることを特に伝えていませんでした。しかし訓練所入所の際に「訓練所で戸籍上の名前と違う名前は使えるか?」ということで問い合わせをし、結果としてJICA本部の方にカミングアウトをしたのでした。
分かったことは、JICA本部の公式な認知としてはトランスジェンダーの隊員はいなかったということです。もちろん僕はそのような人が50年間1人もいなかったはずはないと思っていますが、少なくともJICAがトランスジェンダーだと分かった上で派遣をした隊員はいなかったのです。
過去記事:前例が、ない!協力隊50年の歴史で初のトランスジェンダー隊員になりそうです。
そして僕は派遣国や隊次が変更となり、平成28年度3次隊の候補となりました。JICA本部の方は非常に細やかな心遣いをしてくださり、入所に当たっての配慮について質問フォーマットまで送っていただきました。非常にありがたいことです。上で述べたように身体治療等についてのライフプランも立てていた僕にとっては長い半年でした。ホルモン注射も協力隊のために中断しているので。
でも、逆に言えばたったの半年でここまで変わっていたのは嬉しいことです。このスピーディーともいえる対応、僕と何度もお電話をしてくださったJICAの方や、今回のことで動いてくださったすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。
波紋を起こしたのは一石ではなかった?
ありがたいことに連絡をくれた横浜の友人はとても喜んでくれました。しかし、彼が僕のブログを見つけてメッセージをくれたことで、僕は「自分だけじゃないんだな」と知ることができたので、彼が僕を動かしたといっても過言ではないのです。自分以外にもそういう人がいるのなら一石を投じる必要があると思った。
更にもう一つの根拠。
実は先日、現在派遣されているLGBTの隊員の方からご連絡をいただきました。その人はLGBTであることを隠していたようですが、とあるきっかけで現地事務所の方がそれを知り、日本の本部にも伝わり、本部ではセクシャリティのガイドラインを見直そうという話になったのだそうです。
そうしたこともあっての結果が今回のこの文言なのです。だから決して、僕だけの行動の結果ではありません。
今回のやり方が正しかったのか?
この文言の効力を知るためには、実際に僕以外のLGBTの人が、受験前にカミングアウトして合格して初めて意味があると思っています。もちろんJICAの方を疑うわけではないのですが、この文言ができたことよってどのような変化が起きたのかが見えない限りは今までと変わらないからです。
しかも僕は黙って受験して、後出しジャンケン的にカミングアウトした訳ですからぶっちゃけ超卑怯ですよね。でもこれが私のやり方なんだよゆいP。
だからこそ、この秋募集以降にLGBTの合格者が出ることに意味があるのです。
この半年近く「僕がやったことはただの僕のわがままだったかもしれないな」とか「黙っていれば今頃派遣されてたかもしれないよな」と考えることもありました。でももう言ってしまったことは考えても仕方ありません。大学も出てしまった今、金はないけど時間はあるこんな状況は、こういうことでも起こらなければ中々なかったことでしょう。後1か月の自由な時間を有効に投資することを考えるのみです(バイトも今月は3日間しかないのです)。
これがどんな結果をもたらすのか?僕はバタフライエフェクト的な考え方が好きなので、僕の小さなひらめきが誰かが空を飛ぶための大きな風になることを祈っています。
きばってこーぜ!