どもです。今日は僕が高校生の頃から大事にしているお話の紹介です。なんだかやる気が出ないとか、自分が頑張っても何も変わらないかもしれない、そう思ったときに思い出すようにしているお話です。
『星投げびと』
僕はこの話をおそらく高校の英語の宿題で読んで知ったのですが、今日までとても印象深く残っています。はっきりとタイトルは覚えていませんでしたが、頭に残るキーワードから探していくと、どうやらローレン・アイズリーの『星投げびと』という話であるようです。
『星投げびと』
あるところに、年をとった男の人がいました。
その人は 毎朝 海岸を散歩していました。
ある日、いつものように海岸に出かけると
少年が1人。
何かを拾っては、海に向かって投げています。
「おはよう、何をしているんだね?」
少年は答えました。
「ヒトデを海に投げてるんだ。
今は引き潮で、おまけに太陽がギラギラ照りつけているから、
海に戻してやらないと死んでしまうもの。」
「でもね、君。ここは砂浜なんだよ。
何キロも続いているし、そこらじゅうヒトデだらけだ。
すべてのヒトデを助けることはできないよ。
だから、そんな事をしてもしょうがないだろう。」
少年はじっと聞いていましたが、
ふたたびヒトデをつかむと、
にっこりしながら、海に投げました。
「でも、今投げたヒトデにとっては意味があるでしょ。」
『星投げびと』 ローレン・アイズリー
何かをやろうとするとき、どうしても、大きく急な変化や結果を求めてしまいがちです。若い人は特に。でもそんなときにこの老人のように「ほとんどのヒトデが助からないのだから海に投げるのは無駄」と考えるのか、少年のように「でも今投げたヒトデには変化を起こせたのだ」と考えるのか。それは自分の考え方ひとつです。
また、ベイビーステップは結構大切です。「やる気がないからやらない」なんてよく言いますが、人間の脳はやり始めるとやる気が出るようになっています。モチベーションを産み出してくれる「側坐核」は、外部からの刺激によって活動が活発化します。つまり脳の活動から考えると、「やらないからやる気が出ない」のが正しいのです。
星を投げ続けるだけで終わってはいけない
ただ、この話を「イイハナシダナー」で終わらせてはいけないでしょう。なぜなら確かに年をとった男の言うように、このままでは大多数のヒトデは助からずに干からびてしまうからです。あなたが少年ならどうすればよいのでしょうか。
まずはしばらくヒトデを投げ続けてみます。でも投げ続けながら途中で考えます。「もっと効率よくヒトデたちを助けることはできないのだろうか?」
網をもってきてヒトデを一斉に引っ張る?そんなことをしたらヒトデが傷ついてしまうだろうか?それとも水を汲んできてまずは潮が満ちるまで干からびないようにしてみる?『この看板を見たそこのあなた。ヒト(デ)助けだと思ってヒトデを5匹、海に向かって投げてくれませんか』と看板を立ててみる?
色々なアイディアを頭の中に思い浮かべながら投げているうちにあなたの足元にあるヒトデはだいぶ海に帰ることができているかもしれません。また、ヒトデを投げ続けるあなたを見て、誰かが協力したり真似をしたするかもしれません。
何かを変えようと思ったときに、まずは足元のヒトデを投げることから始めてみること。ただし、投げながらも頭を回転させておくこと。思考は鍋を煮込むのと同じで、しばらく放置することによって火が通って柔らかくなることがあるからです。
ヒトデを投げない人にも、ヒトデをただ投げる人にも、考えながらヒトデを投げる人にもなることができます。僕は少なくともヒトデを投げる人でいたいと思います。