どもです。タイトルの通り、青年海外協力隊2016年3次隊の二本松訓練所での訓練を無事に終え、協力隊候補生から訓練生となりました。来年の1月からタイに派遣されます。
今回は訓練生活を終えての所感をまとめたいと思います。
あっという間の70日間
70日間はあっという間に過ぎました。汗だくでスーツケースを引きずり、自分の居室たどり着いたことがずいぶん昔のことのように思えます。
半年待って、3次隊でタイへの派遣になって本当に良かったと思います。様々な価値観の、力溢れる人々と出会えました。その素晴らしい人々とは3次隊でなければ出会えなかった、そう考えると本当に人生は塞翁が馬ですね。一つ一つの偶然に感謝したいと思います。
と!ありきたりかつくさーい言葉を書いたところでプレイバック僕の70日!
1.自己紹介・今回の対応
訓練所についてすぐ、所長室で所長や総括達と自分のセクシャリティについて言うのか言わないのか話し合いました。NHKの取材等があること、僕だけ風呂が違うことなどを他の訓練生に尋ねられた時にどう対応すべきか、ということだったわけですが。
僕は普通に言うつもりだったので、「言います。班の自己紹介でも全体でも、自分の言葉で説明します。」ということで打ち合わせ終了です。隠すことでもなければ、ひけらかすことでもありませんからね。向こうは「それならよかった」と安心した様子でした。
自己紹介でカミングアウトしてすっきりしました。と言っても、このパターンのカミングアウト、つまり男だという前提の下で「戸籍上は女でぇーす!」というパターンを150名以上の大勢の前でするのは初めてだったので実はちょいと緊張しました。でも僕の前の自己紹介の人も爆弾カミングアウトをしたので、気が楽っちゃ楽でした。
この辺の僕の目的としては
1.今後訓練所にトランスジェンダー隊員が来る場合の前例となること
2.他の訓練生にLGBTは世間で思われてるほどとっつきにくい存在ではないと知ってもらうこと
3.そして訓練生が今後出会うLGBTにとっての理解者となれるための知識を持ってもらうこと
だったのですが、これは達成できたんだろうか?うーん、同期隊員に聞かなきゃわからないですね。
自主講座もやっちゃいました。
教養としてのっていう偉そうな表記がミソ
2.語学
6月くらいに手を付け始めたものの、暇を持て余した9月ごろからようやく本腰を入れて取り組み始めたタイ語ですが、やっててよかったーと思いました。自分でやってなかったらついていけなかった。
これから訓練に入る人に伝えたいこととしては、語学の事前学習はやってやりすぎることはないので、これでもかー!ってくらいやっておいてほしいということです。
幸いうちのクラスの授業はめちゃくちゃ楽しかったです。こんなにうるさい賑やかなクラスはなかったでしょう。ときどき放置されているような気はしましたが、言いたいことが言えるようになるための語学クラス、としてはかなり理にかなった授業だったのかもしれません。今思えば。
タイ料理も作りました。
最終的に訓練所で目標とされるレベル5までは到達できました。
1~8の8段階評価。1が一番上。7が卒業要件です。
3.生活
訓練所での生活はハード、とは言いますが、僕はそうでも…。こう言うと顰蹙を買うのかもしれませんが、大変さより楽しさの方が圧倒的に大きかったです。半年間鹿児島の実家で一人悶々としていた身からすれば、いろんな人と出会えていろんな話ができる生活は楽しくて仕方なかったんですね。
しかも語学を教えてもらえて適度に運動もできる。ごはんも自分で作らなくても出てくる。さらに自己紹介済みなのでこの狭い世界には僕の性別のことをいぶかしげに突っ込んでくる人(女?男?みたいなこと聞く人、じろじろこっちを見る人)がいない!これだけでもう楽すぎ!思うところがある人はいたかもしれませんが、それはそれで良し。
「ここでも生活を楽しめてるよね」と何回か言われました。それくらい楽しそうに見えていたのかもしれません。
週末は飲みに行ってました。数年ぶりにお酒で失敗をしてへこみましたが、それもいい思い出にしたいと思います。
生活を共にした生活班7班のメンバーも優しくて優秀お姉さま方と、普通すぎる農民たちで楽しく過ごせました。最後の飲み会に実は仲が良かったことが分かりましたね。プライスレス。
7班修造かるた大会
4.タイメンバー
タイメンバーも仲が良かったですね。例えばケニアなどの場合、英語を学習する人とスワヒリ語を学習する人に分かれるので、語学クラス=任国が同じ人ではないのですが、タイの場合はタイ語クラスの人=任国がタイの人だったので仲良くなるのも早かったんだと思います。
タイポロシャツも作りました。スァスァ。タイ語で虎はスァ、シャツもスァで声調だけが違うのですが、そんなダジャレからお揃いシャツを作りました。
さらに二本松訓練所初のミス・ミスターコンも開催。紆余曲折ありつつ、熱心なファイナリストのおかげで非常に盛り上がりました。
その他のメモ
●二本松訓練所には、感染症・エイズ対策隊員が僕以外に一人もいなかった。公衆衛生の人はいたのでその人たちとは少し話した。
●夜の外出は真っ暗なのでちゃんとした懐中電灯があったほうが良い。野外訓練なんかも考えるとヘッドライトがあった方が良かった。
●ご飯はみんな不満を漏らしていたが個人的にはあまり気にならなかった。味は薄いけど。でも自分で作る必要がないだけでありがたかった。
●Amazonって便利だな、と改めて思った。
●本を読む時間があまりとれなかった。2か月で5冊くらいしか読めなかった。時間管理を制する者が訓練所生活を制するのではなかろうか。
●みんな人の話を聞くのが上手。そして魅力的な人が多い。
●当然だけど、変な奴、気が合わない奴もいる。でも大半が良い人だった。
●風花のケーキうますぎる。訓練生には送迎や配達のサービスもしてくれる。
●2016年3次隊にはイリュージョンがたくさんあったらしい。
まとめ
訓練所の生活は楽しかったです。訓練所に入る前にできるのは
・30秒間で自分を最大限アピールできる自己紹介の準備
・語学の自主学習
・訓練生活についていくための体力づくり
この辺だと思います。これから訓練があるという方、頑張ってください。そして2016年3次隊のみなさん、70日間本当にありがとう!
Facebookページに動画も上がっています。