今年も残りわずかとなってきました。タイ語の勉強と読書と絵を描くことの繰り返しのような生活を送っています。
散歩も効かない日には
そんな変わらない生活にもやはり気持ちの浮き沈みは多少なりともあるようで、すっきりしない時は散歩に出かけます。何はなくとも散歩には行くんですけどね。
家の近くの川、昔より増えた建物、よくタヌキが出てきていた茂み、排水路で伸びる植物、全身を使ってはしゃぐ小学生や、踏みしめるようにゆっくりと歩く老人。
同じような風景を、同じような時間帯に見ても、自分の気の持ちようでそれらが微笑ましく見えたり疎ましく感じたりするから、自分は勝手だよなぁと思います。でも、そんな心の機微があるのが人間だから仕方がないと、思わず全人類を巻き込んで開き直ってしまう。やはり勝手です。
僕と同じような「心の機微ある勝手な人たち」におすすめしたいのが、詩を読むことです。論文や新書だけでなく、小説や絵本を読むのもいいのですが、詩を読むのもまたいいんですね。僕の好きな詩人は谷郁雄(たにいくお)さんです。
谷/郁雄
1955年三重県生まれ。同志社大学英文科中退。1990年『死の色も少しだけ』で詩人デビュー。第2詩集『マンハッタンの夕焼け』は第3回ドゥマゴ文学賞候補作となる。ロバート・ハリス、三代目魚武浜田成夫、室矢憲治らと共にポエトリーリーディングに参加。そのほか資生堂が主催する作家・アーティストなどによるトーク・イベント・プログラム「ワード」の企画に長年たずさわる―Amazon 自分にふさわしい場所 著者略歴 より
大仰な比喩や巧みな言葉を使うのではなくてあくまでシンプルなのですが、不思議なくらい温度や感触までが読み手に伝わる。そんな詩を書く方です。
過去もなく 未来もない ただ通り過ぎ消え去ってゆく 無数の今があるだけ [おはよう]
— 谷郁雄_bot (@taniikuo_bot) 2014年9月24日
ぼくの頭の中には テープレコーダーがあって 消し忘れた人の声が たまに再生されるんだ [消し忘れ]
— 谷郁雄_bot (@taniikuo_bot) 2014年9月24日
自分なんか 探さなくていい 人と出会い 人と別れ 泣いたり 笑ったり 怒ったりしているうちに 当たり前のように そこにいて この世で 唯一無二の 自分が完成する [唯一無二]
— 谷郁雄_bot (@taniikuo_bot) 2014年9月21日
(※今本が手元にないのでbotで申し訳ないですが。本当はどれももう少し長い詩です)
そして一番好きな詩集のタイトルにもなっているのがこちら
道を極めれば
人は
「いつか自分に
ふさわしい場所にたどりつく」
どんな花も
美しいと
ぼくは思うのだが
遅咲きの花には
うつくしさ以上の
何かがあると思うのだ
自分にふさわしい場所、自分にとって居心地のいい場所を見つけたいですね。そんな場所にたどり着きたい。今後の2年間もそのための一つのステップなのでしょう。というか、自分でそういう風にしないといけないですね。
短いですが、おわり。