どもです。今日は以前おススメした本の中でも特におすすめの、アダム・グラントの「GIVE&TAKE」についてです。
他人に優しく接してばかりでは成功の階段を上ることはできない…うかうかしてたらやられてしまう!果たしてそれは本当なのでしょうか?
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
三笠書房
売り上げランキング: 4,089
この本を読んで僕は自分の今までの人とのかかわり方や、他人にしてもらったことについて考えるようになりました。その辺の自己啓発本に載っているような根性論やスピリチュアルなことではなく、綿密な分析に裏打ちされた世の中と自分ににとってより良い生き方や、今後の社会を生き抜くうえでとても重要なエッセンスが詰まった本だと言えます。
この世の人間は3つに分けられる
本書の中ではこの世の中の人間は
「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
「マッチャー(損得のバランスを考える人)」
の3タイプに分けられるとされています。
殆どの人は、家庭ではギバーでも職場では軟弱だとか世間知らずだと思われてしまうことを案ずるために、マッチャーして振る舞うことが多いとされています。
筆者がある調査で「仕事上の人間関係において自分はギバーか、テイカ―か、マッチャーか」と尋ねたところ、ギバーと答えたのはわずか8%で、残りの92%は仕事では受け取る以上に与える気にはならない、と回答するという結果になったそうです。
では、ビジネスや人生においてどのタイプの人々がピラミッドの最底辺に来るのでしょうか?
...
答えはギバー、他者に与えてばかりのギバーはテイカ―やマッチャーに搾取され、踏み台にされてしまうからです。
ではピラミッドの一番上に来るグループはテイカ―でしょうか、マッチャーでしょうか?
これがこの本の中で最も興味深い部分なのですが、実はピラミッドの頂点もギバーなのです。
厳密に言うと、一時的な富や名声、人脈を得るのはテイカ―です。できるだけ自分の取り分を多くしようとするテイカ―は、他者を押しのけて上り詰めていきます。
しかしギバーは人望があるため、その富や名声、更に人脈もテイカ―のものと比べて長続きします。
それだけではなく、テイカーは自分の取り分の割合を大きくするのに対し、ギバーは取り分の割合が小さくても、全体の利益のパイを大きくすることによって自分の取り分を増やします。つまり、ギバーは自分も含めたみんなで豊かになるのです。
極端な話、10万の資本で100万円の利益を出し、そのうちの8割を取っていくのがテイカー。
10万の資本で1000万円の利益を出し、その2割を自分のものにするのがギバーと言えば分かりやすいかと思います。
世の中全体に富を多くもたらすのはギバーなのです。
等価交換の考えではダメなのかもしれない
デジモン生まれハガレン育ちの僕としては、マッチャーではなくてギバーであるべきという考えを初めて知ったとき、少し驚きました。世の中は等価交換の原則で成り立っていて、与えた分しか自分には返ってこないものだと思っていたからです。
この本の中には、グループの中に一人でも一貫したギバーがいると他の人もギバーとして振る舞うようになるという実験結果があります。上で書いたように本当はギバーでいたいけど、なめられたくないからマッチャーでいる人が多いこともその原因の一つです。
みんながテイカ―やマッチャーの気持ちでいたら全体の利益のパイは大きくならない、つまり世の中全体は豊かにならないけど、ギバーが一人いて周りの人もギバーになっていくと、世の中全体が豊かになっていくことになります。
誰かが「最初のペンギン」になれば、みんな後からついてくるわけです。
最初のギバーはだれだ!?
ここまで読んでも「でも与えてばっかりで踏み台にされたら終わりじゃないか!」と思う人もいると思います。
成功から遠いのもギバー、近いのもギバー。そして社会をよりよくするのは、成功に近い方のギバー。
この本ではピラミッドの頂点に立つギバーと最底辺で踏み台にされるギバーの違いや、テイカーに会ったときの対処法、そしてギバーの弱点とその克服の仕方にも言及しています。
僕はこの本を読んで、少しずつでもギバーになっていこうと思いました。それは今後のタイでの2年間の活動でも、その後の人生においても大切なマインドセットだと思うからです。
協力隊として派遣される人には特にギバーであってほしいと僕は思います。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
三笠書房
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画像2枚目―鋼の錬金術師より