どもです。ゆとりと言うとしばしば揶揄される手つなぎゴールや円周率3。もはや悪名高きゆとりの代名詞のごとく挙げられるこの2事例ですが、これって本当に存在したのでしょうか?
手つなぎゴール・円周率3の経験者に出会ったことがない
ゆとり教育世代は1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれの人が該当するんだそうな。僕は1992年の早生まれのゆとり教育ドストライク世代です。
ゆとり世代です、と言うと上の世代の人によく聞かれたり、またはネットで見たりするのが
「運動会のかけっこは手をつないでゴールしてたってホント?」
「円周率3で問題解いてたんでしょ?」
という質問。
ところが残念。どちらも経験がないのです。ご期待に沿えず申し訳ない。
小学校のかけっこなんかみんな全力で争っていたし、高校の体育祭のリレーはクラス代表メンバーで土日に公園で練習するほどの気合の入れよう。...まぁ団体訓練(通称団訓)とかあるような高校でしたからね。軍隊か!
うおおおおお!(※画像はイメージです)
小学生の頃も円周率も3.14で計算していて、計算ドリルで似たような問題を何度も反復練習をするので、筆算を書いて考えるより前に半径が2なら円の面積は12.56だと覚えてしまうくらいには面倒な計算を繰り返していたように記憶しています。
幻を求めて
しかし僕も、これらは単に僕が経験していないだけで、どこかには存在するだろうと思っていたのです。鹿児島の生まれなので、東京から遠いからそういうのが行き届かなかったんだろうか、とすら考えていました。
ところが未だに手つなぎゴールや円周率3を経験した人を見たことがありません。同学年の友人が多いことや地域の偏りも疑っていましたが、いろんな年齢、出身地の知り合いが増えた今でもそんな人には会ったことがないのです。
そして最近ふと、あれってもしかして実在しなかったんじゃないか?もしやウソなのでは?と疑うようになったのです。だってあれだけまことしやかに言われてるのに、ゆとりドストライクの僕の周りに経験者が1人もいないっておかしくない?ツチノコ?
ツチノコがいるかいないかは置いておいて、諸悪の根源(!)ゆとり教育の代名詞である2つについて調査開始!つってもゆとりだからネットで調べただけなのですがね。
まずは手つなぎゴールから
すぐにこんな記事が見つかりました。
ゆとりの象徴 徒競走「手つなぎゴール」が存在しなかった!!!
え、存在しないの!?
この記事によるとTBSのラジオ番組「たまむすび」内で調査が行われた結果、手つなぎゴールは存在せず、口頭伝聞で広がったと結論づけた模様。”赤江珠緒アナはツチノコ的現象だったとコメント。”ってホントにツチノコやないか!!
ツチノコポイント2ポイントを進呈します。
・番組の調査では、自民党の北岡秀二議員が手つなぎゴールについて質問し、安倍総理はそれを踏まえ悪しき結果平等主義は間違いだと思いますと答えた。民主党の佐藤泰介議員が良く事例に挙がるが見たことがあることがあるのかと尋ねたが、安倍首相、伊吹文科相、塩崎内閣官房長官らは見たことはないが、新聞等でよく目にするなどと答弁した(2006年第165回国会)。
で、この新聞記事も
・多くのコラムニストが「手つなぎゴール」の存在を前提に執筆していた。現場で見た人はいないと1度でも否定していたのは精神科医の和田秀樹氏だけ(エコノミスト誌)。
つまりは本当に伝聞の繰り返しの結果だったんですねぇ。
たしかにこの手つなぎゴールって、ゆとり世代に根性がない・ハングリー精神がないことへの批判や平等とは何かを考える際に引き合いに出されていたことが多いように思います。
幼稚園の運動会で徒競走が全員で手をつないでゴールする幼稚園があるとテレビでやってました。
そういう幼稚園で多いのでしょうか?
子供たちは一緒に手をつないでゴールして嬉しい感じがしてるですかね???
そういう
幼稚園には入れたくないと思いました。
徒競走で一等になって嬉しい気持ちやびりになって悔しい気持ちなど、
競争するってことも体験させたいと思います。
テレビでもやってたのかー。というか幼稚園でやってたものが小学校での話と思われたのか?でも幼稚園時代にあったって話も聞かない(ただ、僕が幼稚園生の頃はまだ学校もゆとり教育に切り替わってない)。うーん。
あとすごいバカらしい推測かもしれないですが、本当に手つなぎゴールをしましょう!ってなったとしてそれで子供たち6人くらいが手をつないだ列をコントロールするのってめちゃくちゃ難しいのではないでしょうか。実際できるのだろうか?誰誰ちゃんが手を引っ張るのが痛いだの、あいつが遅いから悪いだの、結局意味をなさないように思います。
なんか、考えれば考えるほど、なぜ信じてしまったんだろうと思います。
学校の運動会「手つなぎゴール」都市伝説 いつからどんなふうに広まった?もっとも古い内容は?
↑このまとめでは手つなぎゴールの噂について時系列でまとめてありました。
じゃあ円周率3は?
次行ってみましょう。円周率です。これもすぐ出てきたよ。
タイトルを見た瞬間思ったよ。これも嘘かーい!
出ました!3ツチノコ!これは3.14じゃない!
「新学習指導要領から、小学校では
円周率を 3.14 ではなく 3 と教えている」
という話を聞くけど、あれはウソでした。―上記サイトより引用
だよね、そうだよね。
円周率は【3.14】ではなく【3】としか教えなくなるのですか
そんなことはありません。円周率については、【3.14】と教えるだけではなく、それが本当は、3.1415…とどこまでも続く数で、【3.14】も概数にすぎないということをこれまで通り、きちんと教えます。
なお、円周率については、これまでも「目的に応じて3を用いる」こととしていますが、これは、およその長さが知りたい場合には、3を用いて計算するなど、様々な状況に応じて自分の判断により、使い分けられるようになってもらいたいからです。
要は「答えの数字は大体これくらいかな?」という概算で用いられるだけの話だったと。まぁ自分の判断により~なんて書かれていますが、ゆとり世代が指示待ち症候群だってのはゆとりである僕自身そう思うので、その目的は果たされなかったことになりますね。
ついでに台形も!
でもこれは半分本当かな。確かに台形の面積の求め方の公式は教科書には載っていなかったと記憶しています。じょーてーたすかてーうんちゃらってあれね。教えてもらったけど。
意味考えれば、台形に斜めに線を入れて二つの三角形にすることと、(上底+下底)×高さ÷2が結局同じようなことをしてるって分かるじゃん。別に普通に教科書に載せて教えてくれてもいいじゃん。思っていました。
中学の時に「でもこの公式はみんなは習ってないよねー、教えちゃいけないことになってるからー」みたいなことを先生が言っていたような...。これは頭を使って考えさせることが目的だったのね。でも先生が上記のような発言をするということは、現場では実際間違った認識が広まっていたとも考えられます。考えさせなきゃいけないだけで、教えちゃいけないわけじゃないよね。
何と、台形を扱わないのではなく
「かっこじょうていたすかていかっことじるかけたかさわるに」
の丸暗記はさせないという話ではないですか。
「図形を2つの三角形にわけてそれぞれの面積を足せばいい」という
これまたオリコウな考え方をちゃんとやるんじゃないですか。
そう捉えられていたんですね!むしろこの記事を見て、ゆとり教育は台形を扱わないと思われていたことにびっくりしました。
メディアリテラシーがあるつもりになってない?
情報を鵜吞みにしない、人は見たいものだけを見たい様に見てしまう。だからメディアリテラシーを持ちましょう。自分の頭で考えましょう。なんて言われますが、結局のところ多くの人がこんな話を信じているわけで。少なくとも僕は最近までこの事実を知りませんでした。ま、僕が遅れてるだけかも。でも同い年の友達も驚いていました。
多くのコラムニストたちが自分の目では見たこともない手つなぎゴールを根拠にして記事を書いていたのです。
こういった、本当だと思っていたらガセだったみたいなことはもっといっぱいあるんだろうなーと思います。世の中はツチノコみたいな情報であふれているのかもしれません。ツチノコももしかしてもしかして、本当はいたりして。今一度、自分の知識や情報を疑ってみようと思いました。