どもです。
この世に偶然なんてない、あるのは必然だけ。がある漫画に出てくる名言です。
ただ僕は全く逆だと思っていて、タイトルの通り、この世に必然なんてなくてあるのは偶然だけだと思っています。
起こる全てはただの偶然。生きてることも、出会いも。それを必然だと思うと傲慢になってしまう気がする。
この考えを僕に植え付けたのは高校の国語の先生でした。
「この世に必然なんてありません。全ては偶然です。身に起こることを必然だと思いあがらずに、すべての出来事や出会いに感謝してください」
僕は受け持ってもらったことはありませんでしたが、離任式でこの話をしていたことが強烈に印象に残っています。厳しそうな先生というイメージしかなかった他の学年の担当の先生の話を、もっと聞きたいと思った。16歳の僕には響いたんでしょうね。ってもう10年経ってるんだな。
Side walk talkという僕が好きな短編小説があります。
僕らがそれなりの経過をたどるためには、 まだもういくつかの偶然が必要だった。そしていつしか僕は、その偶然をただの偶然とは考えないようになっていた。
(中略)
今の僕なら、彼にこう忠告するだろう。大きかろうと小さかろうと、世界に奇跡などない。あるのはいくつかの偶然だけだ。偶然が重なって一つの方向を示唆しているように見えるのだって、それだってやっぱり、ただの偶然なんだよ、と。彼はいったいどんな顔をするだろう。
―本多孝好 『Sidewalk Talk/I LOVE YOU 』(祥伝社文庫)より引用
起こる全ては偶然で、僕らはそれを都合よく解釈する。
死んだおばあちゃんもきっと僕を応援してくれているだろう、なんてことを信じるかのように、僕らは不確かなことを心の隅で拠り所にしている。
今読んでいる本に「人間は合理的な動物ではなく合理化する動物」という話が出てきます。僕たち人間は自分の行動を正当化したり都合よく解釈したりするために、偶然だのなんとなくだのをかき集めては体のいい言葉で形を整える。
たまたま出会った人、偶然に偶然が重なってまた起こる偶然。そこに勝手に何らかの意味を見出して、綺麗な形で自分の中に収めようとする。
じゃあなぜ努力をするのかと言うと、偶然良いことが起こる確率を上げるためなんですよね。そして毎日を大切に生きること。きっとあの先生はそういうことが言いたかったんじゃないだろうか。これだってきっと都合のいい解釈なのだけど。
一つ一つの偶然に感謝して暮らしていたいですね。
おわり。