どもです。先日WHOが発表した最新の疾病分類で、性同一性障害が精神疾患というカテゴリーから外れたそうですね。
性保健健康関連の病態って何?
世界保健機関(WHO)は、18日に発表した最新の疾病分類で、心と体の性が一致しない性同一性障害を精神疾患から外すべきとの判断を示した。
WHOは、病気やけが、死因など5万5000項目をまとめた「国際疾病分類」の最新版の中で、性同一性障害を示す「性別不合」を、「精神・行動・神経発達障害」ではなく「性の健康に関連する状態」に分類。性別不合の定義を「個人の経験する性(ジェンダー)と、指定された性(セックス)の間での、顕著かつ持続的な不一致」としている。
国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)の公表は、現行のICD-10への改訂(1990年)以来、約30年ぶりの改訂なのだそうです。
以前、性同一性障害から「性別違和」になったのはDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders; アメリカ精神医学会が作っている、心の病気に関する診断基準)というマニュアルの中での話でした。
DSM-4がDSM-5になる際に、性同一性障害から性別違和になり、診断方法もより包括的になったのでした。
このブログに良くまとまっていましたね。
ほんで!上の記事では”「性の健康に関連する状態」に分類”となっています。毎日新聞や厚生労働省のウェブサイトでは性保健健康関連の病態となっていました。
性保健健康関連の病態って何なんだ?と思って「国際疾病分類」の最新版を見てみました。
Conditions related to sexual healthの日本語訳のようです。この性保健健康関連の病態は項目自体が17章として今回から新たに追加されたものですね。
性機能不全についてや、生殖器の解剖学関連のこともこの章に記載があるようです。
もともとは精神疾患扱いだったものが、性別学的性のこと、ジェンダーのこと全般が入っている項目に分類されたと考えればよいでしょうか。
参考:
ICD-11 International Classification of Diseases 11th Revision
国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されました 厚生労働省ウェブサイト
実生活への影響は?
性同一性障害が精神疾患の分類から外れたことについて長崎大の中根秀之教授(社会精神学)は「国際的な脱病理化の動きが反映され、病気というより状態として捉えようという感覚だろう」と指摘。日本では、性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには法律上、性別適合手術が必要だが、「手術を要件とすべきか今後議論が高まるのでは」と話す。
―性同一性障害、精神疾患の分類から外れる 毎日新聞 より引用
今日の毎日新聞政治版にも有料会員記事が上がってましたね。会員じゃないから読んでないけども。福島瑞穂さんの寄稿ですね。
戸籍の変更については今日オクさんがこんなツイートをしていました。
手術の必要までは感じていないトランスジェンダーのかたが、大切な人を制度的にも守りたい(結婚)という理由で、仕方なく体にメスをいれることが悲しい。
本人が決めたことに対して何か思うわけでは全くないけど、もう少し変更の要件がゆるくならないのかなぁと思う😕 pic.twitter.com/XDjxZ2P20j— オクユイカ (@Saba0m) 2018年6月21日
日本では性別変更のためには手術が必須。同性婚制度もないので(パートナーシップは条例に基づくものですからね)、結婚するには手術が必要ということ。
過去記事にもまとめたことがあります。
ちなみに、オクさんも元協力隊の方。大分でセクシャルマイノリティ関連の活動をされています。とてもいいブログを書いている方ですよ。
特に田舎で悩んでいる学生さんなんかには、為になる記事がたくさんあります。
ただまぁ、そんなにすんなりいくもんでもないようで。
厚労省の担当者は、「将来的な影響はあるかもしれないが、保険制度や治療方法の変更などへすぐにつながるものではない」としている。
―性同一性障害、精神疾患の分類から外れる 毎日新聞 より引用
なるほどね。手術なくてもいいってなったら、こんなにありがたいことはないんですがね。僕が若い間には難しいかなぁ。
結婚だとか、子供だとか、自分には関係ないと思っていましたし、なんとなく本気度が低かったんだけど、年齢も年齢なので、最近はこういうこともちゃんと考えなきゃいけないのかなーとも思っています。
日本においてパートナーや家族を法的に守るにはこれがベストな選択なんですかね。
過去記事:「ちんちんのないお父さん」に僕はなれるんだろうか?
性別にまつわる問題
性別を変えられないことによって、こういった問題もあるようです。
「心は男」なぜ女性刑務所 性同一性障害の県内被告、「死ぬほど苦痛」涙の訴え
うーん、犯罪者とはいえ人間ですからね。
見方を変えると、僕は犯罪を犯してしまったら女性として報道されるし、女性刑務所に入れられるのなんて嫌なので、ある意味犯罪抑止にはなってますけどね。でもなー。
以前、受刑者は出産中も手錠を着けていなければならなかったってのが人権侵だとして問題になったこともありましたね。たとえ罪を犯してしまったとしても人権は守られるべきなんじゃないかなぁと。
まだまだ個性と呼ぶには難しい
今回は精神疾患から「性の健康に関連する状態」に分類されるようになりました。あくまでも「国際疾病分類」に載っているので病気ではありますよね。
以前GENKINGも私のオカマは病気ですって言って叩かれてましたけど、僕には彼女の気持ちわかりますね。
あたしのオカマは病気です‼️
同じ悩みの方は病気とか言われて嫌な気分にしてしまったらごめんなさい。
けど今のあたしは病気って言われた方が気持ちが楽なのね。
僕も自覚前は自分のこと病気だなんて思ってなかったけど、それはつらい状態が当たり前になってたからなんですよね。でも今あの状態に戻れって言われてもいやだし健康だとは思えないよ。
本来普通の人がしなくても良いこと(出生時のの性とは別の性での生活、ホルモン注射、手術など)をしなきゃ生きづらいなんて、本人からしたら障害だし病気ですからね。病気だって言われた方が楽だよ。僕はね。少なくとも個性だとは思えないかな。
だからって今生きてるのがつらいとかじゃないんですけどね。人生楽しいぜウェイウェイ。
過去記事:性同一性障害は「障害」か否か問題について―GIDと感動ポルノ
まとめ
精神疾患ではなくなったことによって大きく何かが変わるわけではないんですよね。
病気をどう扱うかと世間的にどう認知されているかは、近い問題のようでダイレクトに繋がってはいないというか…。今回の変更が僕らの生活に影響を与えるのには時間がかかりそうです。
とまぁ思うところはあるにせよ、社会が少しずつ変わっていくのは僕たちにとってはありがたいことだと思っています。
おわり。