どもです。以前紹介したしまなみ誰そ彼の最終巻、4巻が7月19日に発売されました。
僕はお昼休みに読んだのですが、涙腺が緩んでしまって家で読めばよかったと思いました。
4巻のあらすじ
チャイコさんと大地さんカップル
3巻までで椿くんに好意を告げたたすくくん。普通に接してくる椿君にドギマギしながらも、今まで通り仲良く過ごしています。
4巻は最終巻らしく、その2人の関係にも進展が見られます。
その他の登場人物としては、女性同士のカップルの大地さん早輝さん、そしてチャイコさんとそのパートナーの話がメインですね。
チャイコさんがこんなにおしゃべりでお茶目な人だというのは意外でした。でもすごく好きな人物になった。
チャイコさんには入院中のパートナー、阿川瀬一郎さんがいます。

チャイコさんと瀬一郎さんは留学をきっかけに知り合いますが、瀬一郎さんは結婚し、子供をもうけます。
しかし瀬一郎さんは自分が同性愛者だと気が付き、それを奥さんに告げると即、離婚。
親権は奥さんが持つことになりましたが、その後息子さんとも復縁をして息子さんもお見舞いに来てくれています。
でも「もしもの時」にチャイコさんは立ち会えないのでは?という椿君に、お見舞いにもたくさん行っているし、携帯でマメに連絡も取っているから平気だと笑います。
たすくくんは「本当にそれでいいの?」と思いますが、それを言い出せません。
大地さんや早輝さんもチャイコさんとパートナーの話を聞いて、やっぱり家族に隠したままではいられない、と覚悟を決め、結婚式に向けて動き出します。

ちなみにこの辺までは試し読みができます。
誰かさんのこと
ハウスの家主である誰かさんの昔の話も出てきます。
アセクシャル(人を好きにならない、性的な欲求を覚えない)である誰かさんはチャイコさんと瀬一郎さんに出会い、2人と話すうちに「自分は何者というラベルも貼られない、孤独な”誰かさん”として生きていく」と決めます。
チャイコさんは「それも僕らがまた新しいラベルをつけてしまっただけなのかもしれない」と言います。
たすくくんに対しても誰かさん本人が自分の生き方の話をしてくれます。
その描写がきれいなんですよね。この現実離れした描写はリアルさに欠けているので意見が分かれると思いますが、僕は好きですね。漫画だからできる表現だなって思う。
無意識の間に潜む差別の気持ち
4巻で印象的だったのは椿君の言葉
大地さん達の式の当日に、心無いいたずら書きがあるのを見つけてしまったたすく君と椿君。

いつかの俺も…やってたかもしれないよな。
差別なんかしていないと思っていても、ふとした言葉や行動で誰かを傷つけてしまうことはあります。そういう言動で傷ついたこともあるし、もちろん僕だって何人の人を傷つけてきたか分からない。
Amazonの内容紹介にもあったこの本文中の言葉
僕達は傷つけられても立ち上がる力がある。
誰かを傷つけたときそれを省みる心がある。
この漫画で伝えたかったのは田舎で窮屈感を覚えるLGBTの姿よりも、もっと大きな、「誰しも人を傷つけたり、人に傷つけられたりするけれど、それだけで終わらない」というメッセージなのかなと思いました。
全巻読んでの所感
もっともっと読みたかった!掘り下げてほしかった!美空さんの最後もですが、なんだか無理くり終わらせた感もあるかなーというのが正直な感想です。未回収な部分がある気がする、色々と。
雑誌間を移籍しているようなので、その関係もあるのでしょうか?
それでもとてもいい作品だと思います。あまり長すぎても人に勧めづらいので、ある意味丁度良かったのかも。でもやっぱりもうあと2巻分くらいは欲しかったかな!
3巻までの内容には過去記事にもあらすじを書いています。
過去記事:「しまなみ誰そ彼」が田舎のLGBTのリアルが伝わる漫画でとてもおススメ。※ちょいネタバレあり
ここまで、ストーリー上の核心的な部分にはあまり触れないように書いてきたつもりですので、是非読んでみてください。
たすくくんと椿君の関係の変化にも注目です!
小学館 (2018-07-19)
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おわり。