どもです。9月はバンコクでタイのボランティア総会がありました。
国によって差はあると思いますが、タイでは年に2回JOCV、SVが一ヶ所に全員集まる日があります。
タイの場合は2次隊と4次隊の帰国時期とかぶるため、帰国報告も兼ねて行われます。普段他の人の活動の様子を知る機会はなかなかないので、僕は総会を楽しみにしています。地方隊員の上に分科会もない(まず同職種がいない)ので首都に出ることも少ないですしね。
そんな帰国報告で聞いた、タイのゴミ問題のお話です。
タイ人のプラスチック袋消費は半端じゃない
このお話をしてくださったのは環境教育のシニアボランティアの方。
なんとも驚きなのが、フランス人はプラスチック袋を年に80枚使うのに対し、タイ人は1日に8枚使うという話。年間約3000枚近くも使っていることになります。
どうしてそんなに使うのか?
タイに来たことがある方はその理由がわかるかと思います。
タイ人の多くは外食で食事を済ませます。安くて美味しいご飯がたくさんあるからです。
家に持ち帰る場合には袋に入れています。袋を繰り返し使うことはなく、使ったらそのままゴミ箱行き…
そりゃプラスチックバックのゴミが増えるわけです。
市場でもいろいろなモノが袋詰めで売られています。
メーチャンの市場の乾物
ゴミの分別
一応僕の配属先ではゴミは分別して捨てるようになっています。
でも、「ゴミを分別するべきだ」と思ってそうしているわけではなく「プレジデントがラベルを貼った」から分別しているという感じ。実際、この分別が始まったのは僕がここに来てからだいぶたってからです。
家の前のゴミ捨て場にも分別の表記はありません。
一応「分別して捨てましょう」と色分けをされているところもあるのですが、あまり多くはありません。
(聞いたところによると「分別をしても結局一か所に集められるから意味がない」んだとか…ホントかなぁ?
調べてみたら集めた後に分別する人がいるのだそう。どっちが本当なんだろうか。
ちなみに僕のカウンターパートはご飯のおすそ分けをくれるときに、アイスの空き箱でくれたりします。
年齢が上の人はタイ人でも「もったいない精神」が強い気がする。)
タイ人がゴミ問題に関心を持ち始めた理由
このように当たり前のように日々消費されていくプラスチックバック。日本人である僕もだいぶこのスタイルに慣れてしまっています。
スーパーやコンビニで買い物をするときにプラスチックバックを断わったり、外で食事を買って家に持ち帰るのではなく、極力外で食べて帰って来るようにしたり…
セブンイレブンでも「コンビニ袋を断ったら10ポイント!」みたいな掲示を見かけますが、基本的に断っている人はあまり見ないような気がします。
最近になってとある出来事があってから、タイ人は少しずつごみ問題への関心を深めているようです。
今年2018年5月に、タイで打ち上げられたクジラのお腹の中から80枚のプラスチックバックが出てきました。
このニュースはタイ人にとってはかなりセンセーショナルだったようで、それ以来タイ人の間でも「プラスチックバックは使わないようにしよう!」という意識が強くなり始めたのだそうです。
タイ南部で死んだクジラの胃から重さ8キロを超すポリ袋が見つかり、国民に衝撃を与えている。タイではポリ袋が生活に密着しているが、クジラの死をきっかけに利用を見直す動きが出てきた。
あのクジラは亡くなったおじいさんかもしれない
確かにクジラが人間のゴミのせいで死んでしまったというのはセンセーショナルなニュースです。しかしその捉え方は日本人とは同じではありませんでした。
タイは仏教国です。日本に伝わった大乗仏教とは異なり、上座部仏教の国です。僕もものすごく詳しいわけではありませんが、タイ人の多くは輪廻転生を信じているようです。
だからより徳の高い来世のために、タンブン(徳をつむ)をするんですよね。
生まれ変わる先は人間とも限らないようです。
それがさっきのクジラの話に繋がるのですが、タイ人の気持ちとして「あのクジラは亡くなったおじいさんかもしれない」とか、「もしかしたら自分が生まれ変わったらクジラになるかもしれない」といった気持ちがあるのだそうです。
そして人間に生まれ変わったとしても、今の暮らしの「ツケ」を未来で子孫として被るかもしれない…そんな気持ちがタイ人の環境問題への関心を高めているのだそうです。なるほどなぁー。
まとめ
タイ人が環境問題に関心を持つのは「もしクジラに生まれ変わったら苦しい思いをしたくないから」、「未来にツケを残すと、未来で生まれ変わった自分が困るから」という輪廻転生ありきの思想に関係があるというのは、非常に興味深い話でした。
まだまだタイ人のこと、全然分かってないなぁと思う帰国まで3か月ほどの今日この頃です。
おわり。
参考